ちがいは食べてるエサ
グラスフェッドとグレインフェッドとは、どんなエサを食べさせて牛を育てたかを表しています。
グラスフェッドとは、牧草などの粗飼料(そしりょう)を食べさせることです。
グレインフェッドは、トウモロコシなどの穀物主体の濃厚飼料(のうこうしりょう)を食べさせることです。
グラスフェッドは自然な牛の育て方
牛はもともと牧草などの草を食べる動物です。そのため、牧草などの粗飼料を食べさせるグラスフェッドは、自然な牛の育て方と言えます。
オーストラリアやニュージーランドなどの広い草地を確保できる国では、牧場で放し飼いにして牛を育てるため、グラスフェッドが主流になっています。
(日本人はサシの多い牛肉を好むため、最近ではオーストラリアやニュージーランドでも、日本に輸出する牛には穀物のエサで育てる場合も多くあります。)
グラスフェッドの牛肉の特徴としては、エサが牧草で栄養価が高くないため、サシが少ない赤身肉になります。その代わり、肉の旨味が濃く、熟成肉や煮込み料理にぴったりです。
また、グラスフェッドの牛肉には独特の風味、草のような香りがあります。
グレインフェッドは霜降りになりやすい
牛はもともと牧草を食べる動物です。
そのため、穀物をメインに食べさせるグレインフェッドでは、仔牛のうちは牧草を与え、徐々に穀物飼料を与えます。
こうすることで、穀物を食べてしっかり消化できるようになるんです。
アメリカではたくさん獲れるトウモロコシを牛のエサにすることが多いため、グレインフェッドが主体となります。
グレインフェッドの牛肉の特徴としては、穀物のエサは栄養価が高いため、脂が多い肉になります。
日本人はサシが多い霜降り肉が好きなため、日本で育てれる牛のほとんどはグレインフェッドです。
黒毛和種の和牛はサシがきれいに入った霜降り肉になりますが、栄養価の高いエサを食べさせるおかげなんですよ。
実は奥深い牛肉の世界
牛肉の味は、牛が食べるものによって変わります。
当たり前ですが、実は見落とされがちなことですよね。
牛肉は「海外産か国産か」、「国産牛か和牛か」だけじゃなく、「どんなエサで」「どのように育てるか」も大事な要素なんです。
コーヒーでは産地(ブラジルやグァテマラなど)だけでなく、農園にこだわる人もいますが、牛肉もいろいろな要素で味が変わってきます。
私たちが気にしてないだけで、牛肉もかなり奥深い世界なんです。
今日食べる牛肉がどんな牛肉なのか、そんなことを思いながら食べるのもいいですよ。
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