特徴
日本短角種は、寒さに強くて牧草だけでも体が大きく育つので、山に放牧されて育てられることが多い。
そのため、牛を放牧させるだけの面積があり、寒さが厳しい東北や北海道で育てられてます。
肉の特徴としては、圧倒的な赤身です。
日本短角種には、和牛として一般的な黒毛和種のようなとろける柔らかさはありません。
でも、日本短角種の赤身には、野生味あふれる旨みが詰まってます。赤身がすごくおいしいので、赤身肉ブームでかなり注目が集まったんですよ。
自然の恵みをたくさん受けて健康に育った、ヘルシーで食べ応えがある和牛。それが日本短角種なんです。
一般的に育てられる場所
- 岩手県
- 青森県
- 秋田県
- 北海道など
一般的な育て方
- エサは、牧草や穀物(とうもろこし)など
- 夏山冬里方式という育て方が多い
日本短角種の特徴的な育て方に「夏山冬里方式」というものがあります。
「夏山冬里方式」は、夏は山に放牧して、冬には牛舎内で育てることをいいます。夏は山を自由に動きながら、生えてる草を食べて過ごす。冬は草が枯れるので、牛舎内で飼うんです。
この育て方だと、牛の運動量が多くなってカロリーが消費されるため、サシ(霜降り)の入った肉にはなりにくい。でも、余分なエネルギーは消費されるので、おいしい赤身肉になるんですよ。
また、育て方だけじゃなくて仔牛を産ませる方法が特徴的です。普通に牛を育てる場合は、人工受精で妊娠させます。
でも、日本短角種の場合や山に放牧している間に、牛同士が自然と交尾して妊娠します。
育て方や仔牛の生ませ方など、日本短角種は自然に近い環境で過ごすんです。
代表的なブランド牛
- いわて短角和牛
- えりも短角牛
- 八甲田牛
日本短角種は岩手県で最も多く育てらているため、岩手県のブランド牛を多くなってます。
日本短角種のブランド牛をもっと知りたい方は、「日本短角種のブランド牛一覧」をご覧ください。
歴史・配合
日本短角種は、岩手県の南部牛(在来種)に、ショートホーンなど(外国産の牛)を掛け合わせてできました。
和牛の種類として認定されたのは1957年で、他の種類(黒毛和種、褐毛和種、無角和種)よりも遅い。そのため、和牛としては最も若い品種です。
日本短角種は山に放牧して育てられるため、他の和牛に比べ手間がかかりません。
そのため、昔は、東北や北海道では農業や漁業をしながら兼業で育てる人が多くいました。農業や漁業は自然条件によっては収入が下がってしまうので、収入の補填の意味合いもあったのかもしれません。
いずれにしても、東北・北海道という気候や風土だけでなく、そこで暮らしてた人々の暮らしにマッチする和牛だったんです。
地域の歴史に根付いてきた日本短角種は、今後も地域に愛されて、長く生産される和牛になって欲しいと思ってます。
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